甘い香りの蠟梅

 

バレンタインデーを前にして、最近は森チョコやソラマメなどプレゼントに適したプロダクトの製作に追われておりました。お陰様で沢山のご注文、ありがとうございます!

そして並行して欧州(ラトビア)から輸入されているオシャレで香りがリッチなステンダースの石鹸の日本総代理店である「LATVIA HAZE(ラトビア ヘイズ)」さんのオリジナル・ソープディッシュの製作中です。

 

そんなバタバタした日々のなか、先週末はとても穏やかな日和でした。
家のエントランスに植えているロウバイもようやく開花を始め、甘い香りを放っています。我が家のロウバイは、素心(ソシン)ロウバイという品種で花弁の中も柔らかい黄色なのです。
毎年はお正月頃から花が咲くのですが、今年はなかなか咲かずヤキモキしていましたが、無事に開花を迎えました。

 

江戸後期の杉の枝…輪切り

 

圧縮桧の話題ではなく、杉のお話を…

智頭の杉は、奈良の吉野杉、京都の北山杉と並び、西日本で有数の銘杉の産地として有名です。

約1年前、江戸中期に植生された270年超生の杉をご近所の林業家らが伐倒したのですが、その大径木の杉の枝を貰っていたのです。
1年間は長さ1m~1m50㎝の長さのまま自然乾燥させたうえ、昨年暮れに知り合いの隣村・西粟倉村(岡山県)の岸本製材所さんで厚み35㎜で輪切りにして貰いました。

厚み35㎜の輪切りに製材中

その輪切りであるものを作る予定にしているのですが、そのまま乾燥させると絶対に中心部から外に向かって割れるので、それを抑制・防止するために水中乾燥を1か月させていました。この寒い冬の期間、1月のある日は最低気温がマイナス11℃になるなど、水中乾燥といっても凍ったままの時もありました。

その水中乾燥から先日水揚げさせ、150年から200年の年輪を持つ智頭杉の゛枝”の輪切り100枚を、自然乾燥させるステージに移しました。

「枝」のサイズ:径18x16cm

年輪150年分くらいは数えられました

大変目が詰まっている枝の輪切り、芯の部分と外側では力の掛かり具合が違うので割れが出やすいのですが、水中乾燥を経た輪切りを観察しながら無事に乾燥工程を完了させたいと思っています。

小屋のなかで通気させながらの自然乾燥開始です。 トータル100枚!

夏には、この枝から誕生するカタチをお披露目したいと思っています。

 

「智頭杉鉛筆」の誕生と活動

 

ブログの更新、大変ご無沙汰しておりました。
昨年11月から今月までは、圧縮桧に特化したモノづくりが生業であるなか、木工でも当地の智頭杉をテーマにした、新たなチャレンヂに取り組んでいました。

そのチャレンジは、智頭町内に在る「鳥取県立智頭農林高校」のご協力を受けた、ローカル鉛筆「智頭杉鉛筆」つくりでした!
鉛筆の素材は智頭杉、それも農林高校が演習林に昭和時代の生徒が植林した杉で、令和の生徒が授業の一環で伐倒、乾燥させて家具等を製作した杉材の端材にも残る価値を鉛筆にしました。

同校の協力、県や町の後押しと仲間との協働のお陰様で、12月18日に高校に一部を贈呈し、町内は勿論のこと県内の文房具を扱う書店で取扱いが始まりました。
また、「智頭杉鉛筆」のHP内のオンラインショップでも販売しています。

智頭杉鉛筆_CHIZU SUGI PENCIL

名入れも無料で対応していますので、販売開始から沢山の方に喜んで頂いています。

よろしければ、智頭杉鉛筆のHPもご覧頂ければ幸いに思います。

”ローカル鉛筆”とは、僕の友人でもある神戸の木材コーディネーターが3年前に六甲山の杉の間伐材を利用した「六甲山鉛筆」を世に出し、翌年には「淡路島鉛筆」が生まれ、智頭杉鉛筆は3つめとなります。
地域の杉や桧が持つストーリーを大切にして、その素材にもこだわった地域鉛筆。智頭杉鉛筆は杉素材の無垢で無塗装なので、鉛筆を丁寧に削るたびに杉の良い香りがします。無塗装ですから優しくて柔らかいグリップ感が嬉しくなります。

 

 

杉丸太の山のその後…

 

ブログの更新を怠ってしまているうちに、季節は晩秋ですね。
この間、忙しくさせて貰っていましたので、筆まめになるよう改心して今までの活動内容にも触れていきたいと思います。

タイトルのその後というのはですね、今年7月28日に町内に在る木材市場で特別市が開催され、多くの杉や桧が競売に掛けられました。その土場を異様な風景にさせていたのが、杉の小径木の丸太が高く積みあがった山々が広い土場を占拠していたのです。

それから4か月、今日の特別市では杉や桧もその時よりも気持ち高値で落札されていったなか、この土場にあった‟丸太の山”が一つだけにあり、その山も低くなっていました!!

コロナの影響でベニヤ板の原料としての杉の丸太が動かせずに山となっていたものが、秋が深まった今、建築や工事等の業界で使うベニヤ板の需要が戻り始めたことの証左となっているのだと思います。

今日の智頭町は、雲一つない澄みきった青空でした。

2020年11月18日の木材市場

 

2020年7月28日の木材市場

 

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杉丸太の山

 

昨日は、年2回の木材市場の特別市でした。
林業家のご近所に伴われて、小雨のなか出掛けました。

特別市は、通常の月3回の市とは違って、林業家の人々がこの日をターゲットにして良材を山か出します。製材所や建築業の人達は、いつもより良材を期待して入札をします。

ただ、今回の特別市は、今までとは全く違う様相でした。やはりコロナ禍の経済状態ではエンドユーザーの動きが鈍く、家の建築などの建材の上流にある原木の動きは本当に芳しくなかったようです。
杉と桧の良材を出荷されたご近所さんも、全てに値は付いたものの、全くお手上げの結果とのこと。

 

その構内には、杉の原木が数百本も空高く積み上げられ、異様な風景です。これら原木の杉の丸太は、県内での行き先(合板加工場)は決まっているものの、需給調整で市場から出せずに保管している状態との話を聞き来ました。

 

コロナ対策が早く効果を上げ、経済が周り始まることを願うばかりです。
この杉の丸太の山が早くなくなりますように…

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架線集材

撮影地点から200m以上先に伐採地があります

先月、6月の下旬、町内の芦津地区の標高約600mに在る伐採現場に出掛けてきました。

当日は良く晴れわたり、乾いた薫風と谷間を縫って走る川音が心地好い現場。
見学の目的は、冬季に伐採し、そのまま葉枯らしをさせていた桧と杉の丸太の搬出作業を観ることでした。

町内の林業家のほとんどは、山の中に作業道を作ったうえ、伐採場所で運搬具に載せてトラック駐車場まで運び出すスタイルを採っています。

その時流からかけ離れた昔の搬出方法である「架線集材」を使って、数百本の桧等を運び出しの作業現場です。
架線集材とは、「伐採地点」と「トラックへの搭載地点」の天空にワイヤーを張り、集材器をワイヤーの上を走らせて、丸太を吊って運び出す方法です。

当日は地元・藤原林材さんの社長さんがトラックがある地点から200m以上も奥に入った伐採地点に配置、そして町内の最長老現役林業家Yさんがワイヤーを操作し、ベテランTさんが集材丸太をチェーンソーで規定サイズにカットして、トラックに載せるという役割り分担でスムースに作業していました。
なお、現場の社長とワイヤー操作のYさんは無線でのやりとりです。

そして、一度に2本の丸太を吊り上げて集材ポイントまで出してくるのに要する時間は、大体4~5分。なので1時間に20数本、これはとても効率的!!

集材と操作ポイント

右手の作業道路にトラックを付けます。 ブルーシートの下で無線を使ってワイヤーを操作します。

何本もある操作ハンドルを操るYさん

伐採した丸太4本を川に渡して、操作基地を設営。 凄い智恵!!


 

6月から始まった集材・搬出作業は、真夏の8月まで続きます。

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煙突掃除

午前中の晴れで優しい薫風の中、最後の冬仕舞いとしてストーブの掃除を済ませました。

こびりついた煤は、煙突の上からストーブ内に削ぎ落とします。


薪ストーブの薪…… 伐採されて山に残される木を玉切りにしたうえ薪となり、

寒い冬の暖の熱源として燃え、

残った灰はご近所さんの畑の肥料となり、暮らしを豊かに回します。

これで、後は晩秋まで静かな薪生活です。

 

ライデンボク

 

270年生の杉の伐採時に最後まで立っていた、昨夏に雷に打たれた杉が先月下旬に伐採されました。

真っ二つに割かれた杉

そして、今朝の当地・鳥取県智頭町は気温がひとケタ(最低気温は0.2℃)で、居ても立っても居られずに薪ストーブに火を入れました。4月下旬にストーブを炊いたのは、当地に引っ越して5年目で初めてです。
っで、上述の雷に打たれた木(ライデンボク)を、試しに薪として投下することにしました。

当たり前のことですが、薪には乾燥したものを使います。乾燥には早くても1年くらい乾燥させたものじゃないと、内部に水分が多くて薪には適しません。

ですので、一か月前に伐採した杉の木を薪として直ぐには使えるものではありません。っが、雷に打たれたことで木の内部の水分が飛んでしまっているだろうと、薪割り段階で持った感触でも乾燥を感じましたので、本当に薪として火が付くか試してみたのです。

結果は、予想したとおりバッチリ直ぐに焚き付け火が移って、見事に燃えてくれました。雷が木を割るほどの物凄いエネルギーを発電していることを実感しました。

ご覧頂いている、このライデンボクの杉が綺麗な赤身(心材)とぎゅっと詰まった目を持っていることを知るにつけ、雷に打たれたことが残念で仕方がありません。

山も満開、お腹も満腹へ

いつもお世話になっている林業家のご近所さんと早朝からご一緒させて貰って、山の中で全日過ごしました。

午前中は作業されている山に入り、我が家の薪に使う木も一緒に運び出して貰いました。

午後は、行ったことがない山を案内下さり、山斜面が満開になったミツマタの花に目が奪われました。平和が感じられる場所です。

その後、林業家さんご自身の山の中で育ている椎茸採りへ。
時機も最後とのことでしたが、クヌギの丸太に立派な椎茸が沢山。

僕自身も採らせて貰って、我が家の今晩の極上のおかずになります。

薪のお話はまた別の機会にさせて頂きますね。

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江戸中期の杉の伐倒

本日からブログをこちらでご覧いただけるようにいたしました。
前ブログは最近全く更新しておりませんでしたが、これからは日々の出来事を
色んな視点から綴っていければと思っております。

その記念すべき1ページめは、私がいつも大変お世話になっているご近所の林業家
さんに案内して貰った木の伐採・伐倒の現場について書きたいと思います。

昨年の秋、「江戸中期で記録では230年ほど前に植えた杉が夏に雷に打たれた
ので、山主さんが伐って欲しいと言っている。」から、その時には現場を見学し
たら良いよと案内を受けました。
そして、昨年12月16日、林業家6人によって、伐倒されました。

立派な杉の木が倒れていく姿をお楽しみください。

伐倒後に年輪の◎を数えたところ、270年までは確認できました。

切り口の直径はなんと!150cm超!!
これほどの立派な木を伐採する機会は、何十年も林業に携わっている人達でも中々
ないとのこと、その作業の一部始終を知ることができたことは貴重な体験でした。

倒して3か月が経ったので、最近、山から運び出しました。
そのことは次回でお伝えします。

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